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ちいさな家の中に

ちいさな家の中に
回想から生まれた人格が
さわさわと

足、奇異な柱底
腕、理解されることのない痛み
燃え殻の
たったひとりのひとつまみ

そのひとは
あまりの愛おしさに
白いお骨をぱくりと
食べてしまった

悲しみというものが
蘇ってきて
びっくりしてしまって
泣いていた、
きれいな光の壷の中で

ちいさな家の窓から
静かな魂のかたちをした灯りが、
窓々から
午後十時の集合住宅の漁り火が、
それぞれに
ぱちぱちと
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by betorium | 2005-09-30 23:54 |
光跡

夜空見上げた視野の隅
通過して行く電車の光跡
捻くれ捩じれた電線に
従うように平行に
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by betorium | 2005-09-29 20:47 |
トンカツ

今年の夏には間に合わなかったから
まあいいやとトンカツ食べた
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by betorium | 2005-09-27 21:57 |

もう一度読み進めるか
そのままとじて忘れるか
栞を静かにはずしたら
時のかすれる音がした

ミートソースのシミがついてた
あなたの本の紙カバー
栞と一緒にはずしたら
記憶の寂しい音がした

ちいさな日々のかすかな折り目が飛び立つ
ページのすきまに
電球色の空に
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by betorium | 2005-09-26 01:13 |
軽返事

最初の時には軽返事でした
埃色の軽返事
根っこのような約束となり
手帖の静かな白い欄が
それとそれで埋まりました
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by betorium | 2005-09-23 00:28 |
ひとりたち

ひとり
取り残されてしまった
太陽の下に

やがてそして
そこにもここにも
取り残された
ひとりたち

つながっている
ひとりたち
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by betorium | 2005-09-20 23:06 |
ワーロン紙

溜息が大気に溶けて繋がった
ビニールで固められたツヤツヤな夜空から
月光が柔らかく落ちる
ワーロン紙
ワーロン紙
プラスティックス
ワーロン紙
群衆が別れて毛布に包まって
眠気に溶けて繋がって
夢の底でまた繋がって
プラスティックス
ワーロン紙
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by betorium | 2005-09-19 00:03 |
御輿

御輿の先の平和色
藍の夕空に揺れていた
このよろこびが
かわりませんように
その意味が
かわりませんように
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by betorium | 2005-09-18 00:42 |
ひとり焼き肉

ひとり焼き肉する勇気がなくて
うっかり元カノに電話しそうになった夜
そろそろ秋だし
食欲の秋だし
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by betorium | 2005-09-14 22:56 |
あさって

あさってからの塊が
額を掠めて飛んで行った
つまらぬことでぎっしりな
阿呆で間抜けなこのオツム
揺らせばぴいぴい弱音を吐いて
無駄にみしみし音がする

あさってへ送る塊を
腹をくくって蹴り返す
今日とか明日とか飛び越えて
行方知らずのその宛は
青い霞の向こうにあって
どっしり座って待っている
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by betorium | 2005-09-13 23:48 |